「さよならを教えて」

新年あけました。気分は常に陰鬱です。

 

昨年を振り返って思ったこととして、ゲームをしてのアウトプットだけを書くというのもなかなか限界があるし、そもそもゲームから自分らしくアウトプットできることなんてたかが知れているので、今年は触れた創作についてなんかもできれば書いていきたいなあという風に思っています。寝起きしてソシャゲとカードゲームをするだけの生活というのもなんだかちょっと違う気がして。

文章に残すという行為を目指すことによって逆に創作に触れる機会を増やそうという意図ももちろんあります。ほっとくとマジで見たことある動画とか垂れ流すだけの生活しちゃうからね……。

 

というわけで、今回は新年一発目にクリアした創作として「さよならを教えて ~comment te dire adieu~」です。

 ・さよならを教えて ~comment te dire adieu~

なんやかんやあって昔友人ととちょっとだけ触ったんですけど、全然エンディングまでやってなかったので改めて買ってプレイしました。R18ノベルゲームを人と遊ぶなよと言われるとそれはそうとしか言いようがないな。

 

さて、名作?といわれるだけのことはあって、なるほどすごいゲームではあった。ハッキリ言って、全てを理解できてはいない。でも、これだけの人気があるのは頷ける。

 

電波ゲーみたいな言われ方もするのでもっと理解しがたいものかと思っていたんだけど、実際に読んでみるとストーリーとしては割とスッキリしている。

というか、話の構造、あるいはとなみと瀬美奈が実際にはどういう立ち位置の人間なのか、という部分は結構早い段階で察せるようになっているので、割とメタ的な位置から話を受け取ることができ、そういう意味ではメンタルダメージはそこまで大きくなかった。「鬱ゲー」という見方は間違ってると思う、と言い切っていい気がする。キツかったのはエンディングで、少女たちの正体をそれぞれ暗示される部分だろうか。ああ結局救いようがないんだな、という緩やかな虚無感が押し寄せてくる感じがあった。

 

テキストで狂気(あんまりこれを狂気というのもどうなんだろうという気がするが)を表現するのに、文章そのものを支離滅裂にする方法と、成立している文章を意味なく繰り返す方法の大まかに2パターンあるんだなあという気分になった。特にこのゲームは後者の印象が強くて、主人公が拠り所のない自分の知覚(認識?)にひたすら自問を重ねるテキストが多い。前者はまだ「あらららら~」みたいな気持ちで一歩引いてみられる感じがあるけど、後者はぐるぐると空転する精神をまざまざと見せつけられているようで、とにかく気が滅入る。

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総じて、なんだか読めば読むほどじんわりと「もう見たくないな……」という気分が湧いてくる、とにかく居たたまれなくなるゲームだった。自分がこれを見てしまって良かったんだろうか?という。普段はなんだかんだで救われる話ばっか見てるからな。BGMがとてもいいのも苦しい。御幸のテーマ/sourire de aigu(鋭角の微笑)、マジで好きです……

これを肯定的に評価してしまうと、世界の現実感が手を離れていってしまう気がする。

人にオススメができるかというと、どうなんだろう……。オススメはしないけど、プレイする価値はある。価値がある、はず。価値があると思える人にとっては。でもいいゲームだと思う。

 

もっと激烈なネタバレを含むけど、一人称視点のテキストで、それを担う一人称自体が正常でないという類は、なんというかズルいよなと思っちゃわなくもない。叙述トリックのもっと卑怯なバージョンを与えられているような。ズルい、卑怯というのは否定ではなく、そんなの我々には触れようがないじゃないかという無力感というところかなあ。触れられてしまったらいよいよ我々が狂ってしまうかもしれないので、その方がいいんだろうけども。

御幸とこよりはそもそもが「○○ではない」のでなんとなく主人公の投影としての性質が解りやすいんだけど、望美とまひるはどこまでがどう現実だったのか、テキストを割と真面目に読んでてもよくわかってない部分がある。特にまひる。睦月は……

 

 

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詳細な考察みたいなのはしない。インターネットにもよく出来た考察がごまんと転がってるだろうし、そもそも考察にも随分と歴史があるだろうだし。自分自身のこの割り切れない気持ちを残しておくのが目的だったので、これでヨシ!

 

そんなこんなで、こういう文章として残すことで、触れること自体がめんどくさくて投げがちなアニメなんかも触れたりしないかなー、などと思っています。無理かもしれないけど……。各位なんでもオススメ待ってま~す